先輩の話沢に沿って歩いている時のこと。
前方より小さな雑音混じりの声が聞こえてきたさては釣り人がラジオでも聞いているのかなそう思いながら藪を漕いでいるとやがて開けた場所に出た。
さわに向かって突き出した岩の先端誰かが釣竿を持って座っていた。
麦わら帽子を目深にかぶり地味なジャケットを羽織っている腰掛けている横で古びたラジオがノイズ混じりの歌謡曲を流していた。
少し離れた場所に握り飯が3個置かれている一つはかじりかけだ釣れますか何気なく声をかけたが返事がない。
その時違和感を感じた話しかけた相手がまるで生き物ではないような失礼かと思ったが相手を確かめに近寄ってみた。
釣り糸を垂れているのは人ではなかった無骨な丸太作りので降ったしばしそこに立ち尽くしたが木の人形が話に答えるはずもないしかたなくそれじゃあ失礼しますと挨拶しその場をあとにした。
その日は一日中なんとなく落ち着かない気持ちだったそうだ。